2021年9月1日更新（82号）
コロナ退散 馬宮 敏江
加太の海かすみの涯に故郷の帰ることなき鳴門橋みゆ「流し雛」の日を待ち山と積む人形淡島神社の静かなる庭
空港の連絡橋は霧らいいて旅に飛び立ちし日も遠くなり
初蝉の声に誘われスーパーへ週に一度の食糧補給
七月の風に花群揺れる土手スマホかざせば名も教えられ
はるばると
天かける雷鳴とどろき梅雨明けぬ明日は土用の梅を干さねば
紫陽花はやっぱり五月の空の色一輪の青にいやされている
鳴子百合にテリトリーを侵されて葉蘭は左右に
そら豆が空に向ってＶに生る夫の驚き正にカルチャーショック
甘茶蔓・ズルチン・甘味に苦労せし母の日々あり戦いの中
早々と小さい秋を連れてきた 台風9号 枕崎上陸
風に鳴る南部風鈴〝カウベルの思い出〟たどるコロナ自粛に
すみました？これからですとワクチンの注射は日々の挨拶となる
キャンパスの泰山木は花をかかげ樹下に集いし若者いずこに
青葉風に吹かれて
ランドセルが歩けるような
朝明けの窓辺にひかる若葉たち早緑色の風に波打つ
友に書く返事はいいよと月便り矢張り気になる日暮れのポスト
麥畑の黒穂で作る麦笛を吹けば六月の空青かりし
エコバック持参も身に付き日日変える花柄・チエック・今日は空色
昨日酷暑今日の秋風人の世の罪かそれとも地球のいたずら ?
オリンピアの神に祈らんコロナ退散命をけずるアスリートあり
一瞬に人生かけるアスリート世界中の胸に金星を
金星の
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