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2024年1月1日更新(89号)

ならまちは秋   馬宮 敏江

隠りいて四季を忘れし朝の窓木犀のかおり秋を(いざな)
蒼天に今日をかがやく銀杏並木 師走の風に明日は散るとも
人波をかき分け息子()の押す車椅子流れる雲の「ならまち」は秋
寒深み曇り()にぶき独り居に喪中欠礼の便り重たき
稲渕の棚田を染める彼岸花 明日香の秋に再一度会いたし
(ひら)いている?いつも気になる駅前のオーナー若き()の猫カフェ
暴食の画面に思わず目を()らす一粒いのちと過ぎし日ありて

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